ミソノ UX10 牛刀

MISONO UX10
職人の技をあえて見せなくても、その存在が伝わる包丁
Misono UX10を初めて見ると、多くの人が思い浮かべる「和包丁」らしくは見えないかもしれません。
- ダマスカス模様はなく
- 黒打ち(鍛造による黒い肌)もなく
- 八角の木柄もなく
- 刃に鍛造の跡を見せようともしていません
UX10はとてもシンプルです。
- ステンレスの刃
- 黒いハンドル
- 金属の口金(ボルスター)
- 洋包丁の形
しかし、そのシンプルさは「減らすこと」から生まれたものではありません。
必要なすべての部分を、できる限り正確に仕上げることから生まれています
Misonoと関の町
Misonoは岐阜県関市で包丁を製造しています。関は日本で最も歴史のある刃物の町のひとつです。
Misonoの興味深い点は、機械を拒むことで職人仕事を守ろうとしていないことです。
むしろ、その逆です。
Misonoは自らのやり方を、伝統的な職人技と最新の研削・製造技術の融合と説明しています。成形、熱処理、研削、研磨から刃付けまで、主要な工程は関の自社工場で行われています。
そのため、Misonoは土佐のような地方の鍛造系和包丁とは、はっきりと異なる個性を持っています。
刃に職人の槌の跡は見えないかもしれません
しかしその技は
形の美しさ、研ぎ、そして切れ味に表れています
UX10 — Misonoが考えるステンレス包丁の最高峰
MisonoはUX10を同社最高級のステンレス包丁シリーズと位置づけています
刃にはヨーロッパ産の高純度特殊ステンレス鋼を使用。Misonoによると硬度はHRC59〜60程度で、切れ味・刃持ち・研ぎやすさを両立しながら、ステンレスならではの錆びにくさも備えるよう開発されています。
これはUX10にとってとても大切な考え方です
鋼をできるだけ硬くすることを目指すのではなく
次のバランスを追求しているからです
- 切れ味
- 刃持ち
- 研ぎやすさ
- そして日々の使いやすさ
プロの厨房で使われる包丁にとって、このバランスはHRCの数値だけよりも大きな意味を持ちます。
UX10の個性となった小さなディテール
刃と柄のつなぎ目をよく見ると、UX10の口金は一般的な洋包丁のようにまっすぐではなく
斜めにカットされています
Misonoは握り方や使い方に合わせてこの部分を新たに設計し、口金と柄のリベットには洋白(ニッケルシルバー)を採用しました。刃に装飾がなくてもUX10だとわかる特徴のひとつです。
とても小さなディテールですが
UX10の考え方をよく表しています
装飾を足す代わりに、Misonoは使う人の手が毎日触れる部分を磨き上げることを選びました
Misono 牛刀のサイズは 180、210、240、270 mm
UX10は別の道を選びました
包丁が調理の流れの中に溶け込むように
手に取る — 使う — 洗う — 拭く — そしてまた仕事に戻る
その特別さは、使う人の注意を引くことではなく
料理をする人の流れを妨げない包丁をつくろうとしているところにあります
UX10の高級さは装飾にあるのではありません
高級包丁たる理由は、目に見えにくい部分にあります
- 鋼の品質
- 熱処理
- 刃の形状(ジオメトリー)
- 研削
- 研磨
- 刃付け
- バランス
- そして細部の仕上がり
Misono自身はUX10を「Misonoの古い伝統と新しい技術の融合」と説明しています。それこそがこのシリーズを最もよく表す言葉かもしれません。
これがMisono UX10の魅力です
Misono UX10は、作り手の技を見せようとはしません
ただ
包丁を使うたびに、その技を感じてほしいのです