藤次郎 DP 筋引 270 mm (F-806)
仕様
| 全長 | 395 mm |
| 刃渡り | 270 mm |
| 重量 | 220 g |
| 刃材 | V金10号(VG10)+13クロームステンレス鋼 |
| 柄 | 積層強化材 |
| 刃付け | 両刃 |
| ブランド | Tojiro |
| 原産国 | 日本 |
TOJIRO CLASSIC 筋引 270mm — F-806
240mmでは、求めるストロークにまだ足りないときに
筋引きの理屈はとてもシンプルです。
長く途切れないひと引きで切り終えられるほど、切り口はなめらかで美しくなります。
だから270mmのTOJIRO CLASSIC F-806は、単にF-805より30mm長いだけの包丁ではありません。
伸びた長さは、引き切りの距離を増やすためのものです。
ローストビーフや大きな肉の塊、ハム、魚を扱うとき、刃元から引き始めても、食材を通り抜けるだけの刃の長さが十分に残ります。
切りきれずに、包丁を戻してやり直す必要がありません。
切り口を守る長さ
肉を切るとき、避けたいのは「のこぎり」のように動かすことです。
包丁を何度も前後させるほど、肉の表面に跡が残りやすくなります。
F-806の270mmの刃なら、長い引き切りが可能です。
刃を当てる — 引き抜く — そして切り終える。
小さな肉では、この利点はあまり目立たないかもしれません。
しかし食材が大きくなるほど、筋引きの刃の長さの利点がすぐにわかります。
長く、でも大きくない
F-806の刃渡りは約270mmですが、筋引きの形は牛刀よりずっと細身です。まな板で野菜を切るときのような刃の面積は必要なく、求められるのは長い刃と、必要最小限の身幅だからです。
筋引きの役割は、食材を引き切り、刃の切れ味で最も美しく切り離すこと。力と切れ味の両方を使う牛刀とは異なります。
TOJIRO F-806は、刃渡り270mmもありながら、全長395mm、重さ約240gです。
F-805とF-806、どちらを選ぶ?
2本の働き方は同じです。
違いは仕事の規模にあります。
- F-805 — 240mm:取り回しが良く場所を取らない筋引きが欲しい方、一般的なサイズの肉や魚が中心の方に。
- F-806 — 270mm:食材が大きいとき、より長い引き切りが必要なとき、ポーショニングやスライスを日常的に続けて行う方に。
つまり270mmが240mmより「優れている」わけではありません。
切るストロークにより多くの余裕を与えるだけです。
そして仕事がその余裕を活かせるなら、わずか30mmの差が大きな意味を持ちます。
魚にも使える、でも柳刃ではない
筋引きは細く長い刃が魚のスライスに向いているため、ある程度は刺身包丁の代わりになります。
しかしF-806は両刃なので、片刃の伝統的な柳刃包丁とは性格が異なります。
利点は、F-806のほうが扱いやすく、右利きでも左利きでも使え、刺身だけに用途が限られないことです。
今日は魚のスライス、
明日はローストビーフ、
そしてまた営業用の肉のポーショニングへ。
これが洋と和を併せ持つ筋引きの柔軟さです。
F-805をすでにお持ちでも、F-806の使い方は同じです。
筋引きであることに変わりはなく、
スライスのために生まれた包丁です。
大きな肉の塊や魚を扱う方、筋引きを日々の仕事に使う方にとって、
その30mmは
「二度引きが必要」
から
「一度で十分」
への変化を意味するかもしれません。
それこそが
TOJIRO CLASSIC F-806の存在理由です。